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現行訳指摘: 03-git-branching/workflows #126

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matsuand opened this issue Oct 14, 2020 · 0 comments
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現行訳指摘: 03-git-branching/workflows #126

matsuand opened this issue Oct 14, 2020 · 0 comments

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matsuand commented Oct 14, 2020

指摘箇所1

原文
A linear view of progressive-stability branching

現行訳
安定版と開発版のブランチの線形表示

指摘

  • 「線形表示」唐突に感じます。線形というと、理系の者は線形方程式などで知る言葉使いです。専門用語感をかもし出す印象で、一般的な表現とは言えないと感じます。原義は専門性など当然なく、軽い言葉使いであるはずです。
  • 当該箇所よりも前段において line of commits なる原語表現が登場し、その line に呼応して登場するのが linear という形容詞です。ただ前段の訳では line of commits を「一連のコミット」と訳していて「線」という表現は用いていません。つまり line of commits と linear の呼応関係が、英文を読んでいれば分かりますが、現行訳では結びつきを失っています。呼応関係を大切にするのであれば、方策は2つに限られます:「一連の」を両方で表現するか、「線」の表現を両方で行うかです。

試訳
安定版と開発版ブランチにおける一連のコミットイメージ

指摘箇所2

原文
It's generally easier to think about them as work silos, where sets of commits graduate to a more stable silo when they're fully tested.

現行訳
各ブランチを作業用のサイロと考えることもできます。
一連のコミットが完全にテストを通るようになった時点で、より安定したサイロに移動するのです。

指摘

  • 「サイロ」私はピンときませんでした。何のことか分からない読者が少なからずいるのでは。ここはたとえ話なので、たとえた内容を通じて本論への理解を深める意図があるため、意味がわからなければ元も子もありません。「倉庫」と訳すのがよいと思います。サイロは穀物貯蔵庫のイメージがあり、倉庫と言えばダンボール箱が積み上げられた映像をイメージし、両者にかなり隔たりがあります。しかしたとえ話を成立させることの方が必要であり、英日文でのイメージの違いはここでは重要なことではないと捉えます。
  • 「より安定したサイロに移動する」移動する意義は原文にはないと思います。その"サイロ"内そのものが成熟した状態に変化している様であると思います。「移行する」「変化する」という動詞を用いていれば正しかったと思います。「移動」に関連してもう一つ誤りがあります。「安定したサイロに(向けて)移動する」という意味になり、(自分自身は安定しているいないは問わず?)安定した場所に加えさせてもらうという意義になってしまいます。原義はそういう意味ではありません。自分自身が安定した状態に変化するという意味です。
  • これはかなり"奇をてらった"内容になりますが、原文のたとえ内容にうまく合致する日本語例として「味噌蔵」を思いつきました。作り始めの味噌蔵が work silo であり、テスト(味見、熟成)を経て完成した味噌蔵 graduated silo になるという流れです。日本人に対して(日本)文化的に解釈しやすいように、原語をそのまま訳さず別単語を導入するというテクニックです。試訳では「味噌蔵」は採用しません。私が訳担当であれば推していたかもしれません。
  • stable (silo) をどう訳すかを少々考えます。「安定したサイロ」は不自然です。穀物貯蔵庫が安定しているってどういうこと?となります。これは「安定した倉庫」と訳しても不自然さは変わりません。穀物貯蔵庫という箱モノが安定している話ではなく、その中にある穀物が安定している(出荷に向けて十分乾燥されている?とか)という意味なので、せめて「サイロ内が安定する」と訳すことで不自然さがなくなります。

試訳
作業倉庫として考えてみると分かりやすくなります。
一連のコミットに対する確認を十分に行うことで、倉庫内の作業が完了するというものです。

補足説明

  • silo を「倉庫」と訳すことにしたことから以下の工夫を要しました。Gitの話と倉庫によるたとえ話の双方を成立させるため、test を「確認」とし、stable を「作業が完了する」という語におきかえています。test を「テスト」、stable を「安定」と言ってしまうと倉庫のたとえ話が成り立たないからです。
  • 後続訳においても「サイロ」を用いた箇所があるため、修正をするのであれば注意を要します。

指摘箇所3

原文
Some larger projects also have a proposed or pu (proposed updates) branch that has integrated branches that may not be ready to go into the next or master branch.

現行訳
大規模なプロジェクトでは、proposed あるいは pu (proposed updates) といったブランチを用意して、next ブランチあるいは master ブランチに投入する前にそこでいったんブランチを統合するというようにしています。

指摘

  • 当該訳は全体に、原義とは微妙に論理が違う。なぜかと言えば may not be ready 部分が訳に含まれていないから。分断して直訳すると「propsed は統合されたブランチを持っている」「統合されたブランチは master などへ含める準備ができていない」この後者の論理が現行訳にはない。「いったん」という表現の中にその意義を含める趣旨があるのかもしれないが、この表現では単に統合してすぐ吐き出す(つまりはmasterなどへ統合する)作業も同じような表現で示されるため、準備が整うまでじっくりと確認作業を進めて、という雰囲気では表現されていない。
  • また本文が Some で始まっているため、訳文は「そういうプロジェクトがある」という結びでなければおかしい。些細であるが also も訳されていない。
  • 大した話ではないが larger も訳されていない。「大きくなればなるほど」といった意味。こだわるのであれば簡単に訳に含められる。「大規模プロジェクトともなると」、これだけで十分 larger を汲み取った訳。

試訳
大規模なプロジェクトになると、proposedpu (proposed updates) といったブランチを用意して、next ブランチあるいは master ブランチにはまだ合流させる準備が整っていないブランチを、ここに統合して管理するようなことも行います。

指摘箇所4

原文
and you showed the dumbidea branch to your coworkers, and it turns out to be genius.

現行訳
また、ちょっとした思いつきで試してみた dumbidea ブランチが意外とよさげで、これはみんなに公開すべきだと判断しました。

指摘

  • 時系列が逆だと思います(試訳参照)。genius だったので最終コミットに含めることにしましたという説明の流れが途切れてしまっています。
  • 「ちょっとした思いつきで試してみた」 dumbidea が初出する前段落において説明されていた形容語句を、改めてここにつけることによって、説明を尽くしている点は良いと思いますが、原文にはなく、削っても問題ないと思います。
  • 「よさげ」本プロジェクト全体にわたる共通事項ですが、俗語表現をどこまで許容するかという問題を含みます。この「よさげ」は親しみやすさを生み出す効果はあると思いますが、かなり俗語的、口語的であることは否めず不適当と思います。

試訳
また dumbidea ブランチをみんなに見せてみると、意外に優れたアイデアであることがわかりました。

指摘箇所5

原文
so before you decide which branching scheme your next project will use, be sure to read that chapter.

現行訳
次のプロジェクトで、どんな方針でブランチを作っていくかを決めるまでに、まずはこの章を確認しておきましょう。

指摘

  • 「この章」 この章とは本章「3.4 Git のブランチ機能 - ブランチでの作業の流れ」を指すように訳されていますが、原文が that chapter ですから、直前に参照されている「5.1 Git での分散作業 - 分散作業の流れ」を指すと思います。

試訳
今後のプロジェクトにおいて、ブランチをどんな方針で作っていくかを決めるためにも、その章は必ず読んでおいてください。

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